舌小帯短縮症とは?赤ちゃんの授乳障害との関係を解説
2026/06/20
こんにちは。八千代緑が丘駅より徒歩1分の歯医者、公園都市プラザわかば歯科です。
舌の裏側にある、舌と口の底をつなぐ薄いヒダを舌小帯といい、この舌小帯が生まれつき短かったり、舌の先端近くまで付着していたりする状態を「舌小帯短縮症」と呼びます。
今回は、舌小帯短縮症の症状や授乳への影響、治療の選択肢などを解説します。
舌小帯短縮症とは
舌小帯短縮症は、舌の裏側にある舌小帯という組織が、短かったり厚かったりすることで、舌の自由な動きを妨げている状態を指します。
この組織が舌の先端近くまで伸びて付着していることが多いため、舌を前に突き出したり、上あごに持ち上げたり、左右に動かしたりといった動作が制限されてしまいます。
舌小帯の役割
舌小帯には、舌の位置を安定させる働きがあります。
舌小帯があることで、睡眠中や意識を失った際にも舌が後方に落ち込んで気道を塞ぐことを防ぐことができます。
また、舌の過剰な動きを制限し、嚥下や発音の際の舌の動きを適正に保つ働きもあります。
授乳への影響
母乳育児における問題
母乳を飲むためには、赤ちゃんが舌を使って乳首を口蓋に押し付け、吸啜運動を行う必要があります。
しかし、舌小帯短縮症により舌の動きが制限されている状態では、舌を乳首の下に正しく配置できなかったり、舌で乳首を包み込めなかったり、吸啜のリズムが不規則になったりといった問題が生じます。
その結果、赤ちゃんは十分な量の母乳を飲めず、授乳時間が長くなったり、頻繁に授乳を求めたりするようになります。
また、うまく吸えないため、空気を一緒に飲み込んでしまいやすくなります。
母親側の問題
舌小帯短縮症により赤ちゃんが舌を上手く使えず、代わりに歯ぐきで乳首を挟むようにして吸おうとすると、お母さんの乳首に痛みや傷が生じやすくなります。
また、赤ちゃんが効率よくおっぱいを飲めないことで、乳房の中に母乳が残りやすくなり、乳腺炎や乳管が詰まる原因になることもあります。
赤ちゃんの体重増加不良
十分な量の母乳やミルクを飲むことができないと、体重の増え方がゆっくりになったり、止まってしまったりすることがあります。
特に体が大きく育つ新生児期から乳児期にかけて、体をつくるための栄養が足りない状態が続くと、その後の健やかな発育に影響を及ぼす恐れがあります。
将来的な影響
発音への影響
舌小帯短縮症が治療されずに残ると、発音障害の原因となることがあります。
特に影響を受けやすいのは、舌を上あごや歯に接触させる必要がある音です。
日本語ではタ行、ナ行、ラ行などの子音、英語ではLやRなどが発音しにくくなります。
口腔衛生への影響
舌は食事中や無意識のうちに口腔内を掃除する役割を果たしていますが、舌小帯短縮症があると、この機能が十分に働きません。
その結果、食べかすや歯垢が口腔内に残りやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
嚥下機能への影響
食べ物を口の中で移動させ、喉へと運ぶ動作には、舌の複雑な動きが欠かせません。
舌小帯短縮症があると、この一連の流れがスムーズに行えず、飲み込みにくさを感じたり、食べ物が誤って気管に入ってしまうリスクが高まったりする原因となります。
歯並びへの影響
正常な舌の位置は、安静時に上顎の内側に軽く接触している状態です。
しかし、舌小帯短縮症があると、舌が低い位置に留まりやすくなります。
これにより、上顎の発育が不十分になり、歯列が狭くなったり、歯並びが悪くなったりすることがあります。
また、舌が前歯を押し出すような位置にあると、その圧力が原因で開咬や反対咬合といった不正咬合を引き起こすこともあります。
舌小帯短縮症の治療法
経過観察
軽度の舌小帯短縮症で、授乳に大きな問題がない場合は、経過観察が選択されます。
成長とともに舌小帯が伸びたり、舌の筋力が発達して動きが改善したりする可能性があるほか、離乳食が始まって舌を使う機会が増えることで、自然に舌の可動域が広がることもあります。
舌小帯切除術
舌小帯短縮症による授乳困難が明らかな場合、舌小帯切除術が検討されます。
この処置は、舌小帯を切開して舌の動きを改善するものです。
専用の器具を使用して舌小帯を切開し、必要に応じて縫合します。
局所麻酔下もしくは局所麻酔なしで行われ、処置時間は数分間です。
新生児の舌小帯は血管や神経がほとんど通っていないため、処置による出血は少なく、縫合が不要なことも多いです。
処置直後から授乳が可能です。
術後のケアとリハビリ
舌小帯切除術を受けた後は、アフターケアとリハビリが欠かせません。
まずは患部を清潔に保ち、感染を防ぐことが重要です。
そのため、術後数日間は口の中の衛生状態に細心の注意を払う必要があります。
また、切除した部分が再びくっついてしまう再癒着を防ぐために、保護者の方が赤ちゃんの舌を優しく動かすストレッチを続ける必要があります。
なお、授乳は処置の直後から再開できます。
治療のタイミング
舌小帯切除術のタイミングについては、症状の程度や想定される今後の変化、医師や歯科医師、保護者の方の意向により異なります。
授乳困難が明らかでその程度も大きい場合は、新生児期から生後数週間以内の早期に処置を行うことが推奨されます。
この時期は舌小帯に血管が少なく、処置による負担が少ないというメリットがあります。
一方、軽度の舌小帯短縮症で授乳に大きな問題がない場合は、様子を見ることもあります。
ただし、発音障害が懸念される場合は、2歳から3歳頃までに処置を行うことが望ましいとされています。
年齢が上がるほど、舌小帯に血管や神経が発達し、処置が複雑になります。
まとめ
舌小帯短縮症は、舌の裏側にある舌小帯が短かったり厚かったり、あるいはバランスの悪い位置に付着しているために、舌の動きが制限されてしまう状態です。
特に授乳期に直面することが多く、赤ちゃんがおっぱいをうまく飲めない、授乳に時間がかかる、体重が思うように増えないといったお悩みとして現れます。
こうした困りごとは、早めに気づいて対処することで防ぐことが可能です。
授乳のしにくさや舌の動きに気がかりな点がある場合は、一人で抱え込まず、小児科の医師や歯科医師などへ相談するようにしましょう。
公園都市プラザわかば歯科:https://wakabadc.net/
〒276-0049 千葉県八千代市緑ヶ丘1-1-1 公園都市プラザ1F
電話:047-409-7809
交通アクセス
東葉高速鉄道 八千代緑が丘 徒歩1分(駐車場あり)
