「削らない虫歯治療」カリソルブって何? ドックベストセメントとの違い
2026/02/10
「キーンというあの音が怖い」
「麻酔の注射が苦手」
そんな理由で虫歯を放置してしまい、結果的に神経を取らざるを得なくなる……。
これは歯科医師として最も悲しいシナリオです。
八千代緑が丘駅直結の「公園都市プラザわかば歯科」では、患者さまの「恐怖心」に寄り添い、なおかつ科学的根拠(エビデンス)に基づいた精密な治療を行うため、「カリソルブ」による薬液を用いた虫歯治療を導入しています。
今回は、よく比較される「ドックベストセメント」との違いを明確にしながら、当院のこだわりをお伝えします。
カリソルブとは? 「削る」から「溶かして取る」への転換
カリソルブ(Carisolv)は、スウェーデンで開発された、虫歯に感染した部分だけを柔らかく溶かす薬剤です。
主な成分は、次亜塩素酸ナトリウムと3種類のアミノ酸です。
これをお口の中に塗布すると、「虫歯に感染してボロボロになった象牙質」だけを特異的に分解・軟化させます。
健康な歯は溶かさない
健康な歯(エナメル質や健全な象牙質)には一切反応しません。
手作業で除去
柔らかくなった虫歯部分を、専用の手用器具(エキスカベーターなど)で優しく「かき出し」ます。
カリソルブ最大のメリット
あの音がしない
ドリル(タービン)を使用する量を最小限に抑えられます。
痛みが極めて少ない
健康な神経に刺激を与えにくいため、多くの場合、麻酔なし、あるいはごく少量の麻酔で治療が可能です。
神経を残せる可能性が高まる
どこまでが虫歯で、どこからが健康な歯か。
マイクロスコープ下でこれを見極めながら「溶かして取る」ため、削りすぎを防ぎ、神経を保護できます。
ドックベストセメントとの決定的な違い
ネット上では「削らない治療」として同じ括りにされがちですが、そのアプローチは全く異なります。
| 比較項目 | カリソルブ(当院採用) | ドックベストセメント(当院非採用) |
|---|---|---|
| 基本概念 | 虫歯を「溶かして、完全に取り除く」 | 虫歯を「残したまま、ミネラルで殺菌・石灰化する」 |
| 治療プロセス | 薬剤で虫歯を軟らかくして手用器具で除去 | 虫歯の一部を残し、その上に薬を塗って封鎖 |
| 確実性 | 感染源を物理的に除去するため再発リスクが低い | 菌を封じ込めるため、完全に殺菌できない場合がある |
| 当院の判断 | 精密治療の原則(無菌化)に合致する | 感染源を残すリスクが、当院の治療方針に合わない |
なぜ当院はドックベストセメントを取り扱わないのか
ドックベストセメントは「虫歯を全部取ると神経に達してしまうから、あえて残して薬で殺菌しよう」という考えに基づいています。
しかし、日本歯周病学会認定医、根管治療に精通した当院の視点では、「感染源(虫歯菌)をお口の中に残したまま蓋をする」ことには大きなリスクがあると考えています。
もし殺菌が不十分だった場合、蓋の下でゆっくりと虫歯が進行し、気づいた時には神経が死んでしまう可能性があるからです
当院のポリシーは「悪いところは精密に取り除き、健康な組織を守る」こと。
だからこそ、虫歯を物理的に、かつ安全に除去できる「カリソルブ」を選択しています。
カリソルブの「適応」と「非適応」の見極め
カリソルブ治療を成功させる鍵は、事前の精密な診断にあります。
当院では歯科用CTとマイクロスコープを駆使し、以下の基準で適応を判断しています。
【適応症例】カリソルブが最も効果を発揮する場合
象牙質(ぞうげしつ)まで進んだ中程度の虫歯(C2)
カリソルブは「虫歯に感染した象牙質」にのみ反応します。
エナメル質の下にある象牙質まで進行した虫歯は、この治療の最も良い適応です。
「歯医者が怖い」お子さまや、歯科恐怖症の方
あの嫌な振動や音を最小限に抑えられるため、心理的なハードルを大きく下げることができます。
麻酔の使用を控えたい方
健康な象牙質や神経を刺激しないため、痛みを感じにくく、持病などで麻酔の使用に制限がある方にも適しています。
神経に近い深い虫歯
ドリルでは削りすぎて神経を露出させてしまう恐れがあるケースでも、カリソルブなら感染組織だけを優しく除去できるため、神経を残せる確率(温存率)が高まります。
【非適応症例】カリソルブでは治療が困難、または不適切な場合
初期段階の小さな虫歯(C1)
エナメル質表面に留まっている極めて小さな虫歯には、薬剤が浸透する場所がないため、カリソルブは反応しません。
この場合は、高濃度フッ素による再石灰化促進や、最小限の充填処置が適しています。
重度の虫歯・すでに激痛がある場合(C3〜C4)
虫歯菌がすでに神経に到達し、強い痛みや根の先に膿が溜まっている場合、薬剤で溶かすだけでは解決しません。
この場合は、当院の得意とする「精密根管治療」への移行が必要です。
詰め物・被せ物の「内側」で広がった二次カリエス
古い銀歯などの下で虫歯になっている場合、まず「金属」をドリルで外さない限り、薬剤を塗布することができません。
入り口を作るためにドリルの使用が不可欠となります。
隣の歯との間(隣接面)の深い虫歯
器具が直接届かないような狭い場所の虫歯は、カリソルブ単独では除去しきれないことがあります。
【比較】適応判断のためのチェックリスト
ご自身のお口の状態を思い浮かべてみてください。
| 症状・状態 | カリソルブの適応 | 治療の方向性 |
|---|---|---|
冷たいものが時々しみる | ◎ 適応 | カリソルブで神経を保護しつつ治療 |
何もしなくてもズキズキ痛む | × 非適応 | 精密根管治療(根の治療)を優先 |
銀歯が外れて中が黒い | △ 一部併用 | 外した後のクリーニングに使用可能 |
子供の乳歯の虫歯 | ◎ 適応 | 恐怖心を与えず、優しく除去 |
カリソルブ治療の流れ
-
- STEP 1CTとマイクロスコープによる「精密な事前診査」
- まずは歯科用CTで虫歯の広がりを3次元的に確認し、神経までの距離を測ります。
その後、マイクロスコープ(最大20倍)で歯の表面を精査します。
この段階で「削る必要がある範囲」を最小限に設定します。
-
- STEP 2薬剤(カリソルブ)の塗布と浸透
- 虫歯部分にカリソルブのジェルを塗布します。
浸透時間: 30秒〜1分ほど待ちます。
この間に薬剤が感染した象牙質だけを選択的に分解し、ボロボロと柔らかい状態に変えていきます。
健康な部分には一切反応しないため、痛みを感じることはほぼありません。
-
- STEP 3専用器具による「手作業の除去」
- ドリルを使わず、カリソルブ専用の耳かきのような形をした手用器具(エキスカベーター)を用い、柔らかくなった虫歯を優しくかき出します。
院長のこだわり: マイクロスコープで拡大しながら行うため、ドリルの「手の感覚」よりも遥かに正確に、感染組織だけを狙い撃ちできます。
-
- STEP 4虫歯検知液による「最終チェック」
- 一度の塗布で取りきれない場合は、ステップ2と3を繰り返します。
最後に「虫歯検知液(虫歯部分だけが赤く染まる薬)」を使用し、取り残しがないことを視覚的に徹底確認します。
院長のこだわり: 「削らない」ことと同じくらい「取り残さない」ことが重要です。
これが再発を防ぐ鍵となります。
-
- STEP 5高精度な「接着」と修復
- 虫歯を取り除いた後のきれいな穴を、レジン(樹脂)やセラミックで埋めます。
院長のこだわり: 接着の際に唾液が入ると脱落や再発の原因になるため、防湿を徹底し、マイクロスコープ下で段差のないよう精密に充填します。
よくあるご質問(FAQ)
また、詰め物の下の深い虫歯など、状況によってはドリルを併用する必要があります。
当院では1歯33,000円(税込)で実施しております。
歯を削りすぎて寿命を縮めるリスクを考えれば、非常に価値のある選択肢だと考えています。
しかし、メインの「深い部分」はドリルを使わず、カリソルブで進めることができます。
ただし、虫歯が神経のすぐ近くまで達している場合、手作業の振動でわずかに「響く」ような感覚が出ることはあります。
その際は、患者さまの負担を考え、極少量の麻酔を併用することも可能ですのでご安心ください。
あの不快な音と振動の時間を劇的に減らすことができます。
理由は、健康な歯を削る量が圧倒的に少ないからです。
歯は削れば削るほど弱くなります。
カリソルブで自分の歯を多く残すことは、将来的に歯が割れる(歯根破折)リスクを減らすことに直結します。
しかし、当院ではマイクロスコープで「取り残しゼロ」を目指しているため、治療した場所の「再発(二次カリエス)」のリスクは、通常のドリル治療よりも低く抑えることができます。
お子さまが歯科恐怖症になる最大の原因はドリルの振動と音です。
カリソルブは「薬で溶かして、お掃除するよ」という感覚で進められるため、笑顔で治療を終えられるお子さまが多いのが特徴です。
古い詰め物を外した後、神経を守りながら慎重に虫歯だけを取り除くためにカリソルブを使用します。
当院では「1本1本の歯の寿命を最大化する」ために自費診療という形で質の高い医療を提供しています。
「急いで削る」のではなく「丁寧に溶かして取る」ための必要な時間です。
公園都市プラザわかば歯科:https://wakabadc.net/
〒276-0049 千葉県八千代市緑ヶ丘1-1-1 公園都市プラザ1F
電話:047-409-7809
交通アクセス
東葉高速鉄道 八千代緑が丘 徒歩1分(駐車場あり)

