歯科治療で使う「ラバーダム」とは?目的やメリット・デメリットを解説
2026/06/10
こんにちは。八千代緑が丘駅より徒歩1分の歯医者、公園都市プラザわかば歯科です。
ラバーダムは、治療する歯だけを露出するために使う薄いゴム製のシートです。
今回は、ラバーダムの基本的な知識や治療における役割、メリットとデメリットについて解説します。
ラバーダムとは
ラバーダムは、薄いゴム製の医療用具です。
シート状になっており、治療する歯の位置に合わせて小さな穴を開け、その穴から歯を露出させることで、治療部位のみを隔離した状態を作り出します。
ラバーダムの使用目的
治療部位の隔離と保護
ラバーダムは、治療する歯を口腔内の他の部分から隔離するために使用されます。
これによって、唾液や血液、口腔内の細菌が治療部位に侵入することを物理的に防ぐことができます。
また、歯科治療ではさまざまな薬剤や材料を使用しますが、その中には舌や頬粘膜、歯肉などに刺激を与える可能性のあるものも含まれます。
これらの薬剤が口腔粘膜に接触することを防ぐこともラバーダムの役割です。
無菌環境の保持
口腔内にはさまざまな細菌が常在しており、これらの細菌が治療部位に侵入すると、細菌感染などのトラブルにつながる可能性があります。
ラバーダムを使用することで、治療部位を唾液や口腔内細菌から遮断し、ほぼ無菌に近い環境下で治療を進めることができます。
治療効率の向上
ラバーダムがない状態での治療では、唾液を継続的に吸引する必要があり、また患者さんの舌や頬が治療部位に触れないよう注意を払わなければなりません。
ラバーダムを使用すると、唾液の流入が遮断されるため、頻繁な吸引作業が不要になります。
また、舌や頬が物理的に隔離されるため、患者さんが意図せず動いてしまっても治療部位に影響を与える心配がありません。
歯科医師は治療そのものに専念できるようになり、より精密な処置を効率的に行えます。
患者さんのリスク軽減
歯科治療では、さまざまな器具や材料を使用します。
小さなファイルや針、補綴物の破片などが誤って患者さんの口腔内に落ちてしまうと、誤飲や気道への異物混入といった事故につながる可能性があります。
ラバーダムは、こうした器具や材料の落下を防ぐ役割も果たしています。
ラバーダムを使用するケース
根管治療
根管治療において重要なのが、治療中の細菌感染を防ぐことです。
歯の根管は複雑な構造をしており、直径が1mm以下の細い管が複数存在することもめずらしくありません。
もし治療中に唾液や口腔内細菌が根管内に侵入してしまうと、治療後に再感染を起こす可能性が高まります。
ラバーダムはこのような場合に、唾液を遮断して再発リスクを抑えるために使用されます。
虫歯治療
深い虫歯の治療や、歯髄に近い部分まで虫歯が進行している場合には、ラバーダムを使用することで、治療部位を乾燥させた状態で処置を進めることができます。
また、ラバーダムによって唾液を遮断することで、詰め物の耐久性や密着性の向上につながります。
ホワイトニング
オフィスホワイトニングで使用される薬剤は、歯ぐきや口内の粘膜に接触すると炎症や痛みを引き起こす可能性があります。
ホワイトニングの施術時にラバーダムを使用することは、ホワイトニング薬剤による歯ぐきや口内の粘膜へのダメージを抑えることにつながります。
修復処置
セラミックやレジンなどの修復材料を使用する際には、接着面を清潔に保つことが長期的な安定につながります。
ラバーダムを使用することで、唾液や呼気中の水分、口腔内の油分などによる汚染を防ぐことができ、治療後の安定性と美しさを維持しやすくなります。
予防処置
小児歯科の予防処置であるシーラント処置においても、ラバーダムが使用されることがあります。
お子さんの場合、長時間口を開けていることが難しく、唾液の分泌も多いため、治療部位を乾燥状態に保つことが困難です。
ラバーダムを使用することで、お子さんの口内環境や歯科医院への慣れに関わらず、乾燥した口内環境を維持できます。
ラバーダム使用のメリット
治療精度の向上
ラバーダムを使用するメリットの一つは、治療精度の向上です。
治療部位が隔離され、視野が保たれることで、精密な作業を行いやすくなります。
精度向上は、再治療のリスク低減につながります。
感染リスクの低減
ラバーダムは、治療部位への細菌侵入を防ぎます。
感染リスクの低減は、治療後の痛みや腫れのリスクを抑えるだけでなく、長期的な予後の安定にもつながります。
治療時間の短縮
ラバーダムを装着することで、唾液の吸引作業や、舌や頬を避ける作業が不要になるため、治療そのものに集中できる時間が増えます。
また、治療部位が乾燥した状態に保たれるため、湿気によって材料の硬化が妨げられたり、接着力が低下したりする問題が生じません。
これによって、治療時間が長くなるのを防ぎやすく、再処置のリスクも減少します。
ラバーダム使用のデメリットと課題
装着時の違和感や不快感
ラバーダムを初めて使用する患者さんの中には、口の中にゴム製のシートを装着することに違和感や不快感を覚える方がいます。
この違和感は、多くの場合、ラバーダムに慣れることで軽減されます。
適用が困難なケース
すべての治療においてラバーダムが使用できるわけではありません。
十分な歯質が残っていない場合や、歯列不正が著しくラバーダムを装着できない場合などには、使用が難しい場合があります。
また、極度の嘔吐反射がある患者さんや、口を長時間開けていることが困難な患者さん、鼻呼吸が難しい患者さんなどでは、ラバーダムの使用が患者さんの負担となる可能性があります。
コスト面での課題
ラバーダムは使い捨ての医療器具であり、一回の使用ごとに新しいシートを使用する必要があります。
また、ラバーダムを使用する際に必要となる器具も定期的なメンテナンスや交換が必要です。
コストの面から、すべての治療でラバーダムを使用するのが難しいこともあります。
まとめ
ラバーダムは、治療部位を口腔内の他の部分から隔離することで、治療精度の向上や、患者さんのリスク軽減を図る薄いゴム製の医療用具です。
ラバーダムを使用することで、唾液に含まれる細菌の侵入を防いだり、治療制度を維持したりすることが可能になります。
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